InteLLA | 言語学習支援エージェント

InteLLA(Intelligent Language Learning Assistant)は、対話システム技術を活用して言語学習者のレベルや理解に合わせて質問を適応的に変更し、適切に発話サンプルを引き出し、学習者の言語能力を効果的に評価します。評価レポートでは、言語能力判定の国際標準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠した多次元的な評価を行います。InteLLAの製品版リリースは2023年に予定しています。

適応的なインタビュー戦略

InteLLAは、言語学習者の習熟度や理解度に合わせて会話を調整することで能力を最大限引き出し、言語運用能力を効果的に評価することを目的に開発されました。ユーザーはウェブブラウザ上でビデオ会議のように手軽にInteLLAとの会話を始めることができます。人間のインタビュアー同様に自然な発話タイミングの制御や非言語的なやりとり、適応的な対話戦略を通して自然な会話を実現し、学習者の潜在的な会話能力を発揮させることを促します。

これまでに行われてきた英語テストの多くは、読み上げ型のようなものが主であり、「会話能力」の測定の妥当性に欠ける場合がありました。InteLLAは自然なターンテイキングや非言語的なインタラクションを通して自然な会話を実現し、学習者の潜在的な会話能力を発揮させることを促します。その状況のなかで初めて、リアリスティックな会話における言語運用能力が測定できると我々は考えています。評価レポートでは、言語能力判定の国際標準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠した多次元的な評価を行います。

InteLLAは、革新的な教育の取り組みを表彰する英国の世界最大級の教育コンテスト「QS-Wharton Reimagine Education Award 2021」におけるLearning Assessment Category(能力判定部門)にてBronze賞(銅賞)を受賞しました。現在、早稲田大学の英会話授業での導入が予定されているほか、それ以外の主要大学や学習塾、英会話教室での導入が検討されています。

InteLLAの製品版リリースを2023年に予定しています。2022年度中にベータ版による大規模な実証実験が行われる予定です。

説明可能な深層学習モデル

英会話能力判定は一般的に判定者の知識と経験に大きく依存してしまう属人性の問題がありました。そこで本研究開発では、英会話能力判定の枠組みをニューラルネットワークの構造に予め組み込むことで判断過程を説明可能とした上で、能動学習の枠組みを用いて、AIが能力判定の確信度が低いと判定した事例から優先的にその判断根拠も示して経験豊富な人間の判定者に最終判断を下してもらうような、人とAIが協働し共に成長する枠組みを提案します。

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